大雨で浸水被害を受けていた畑の水路を鋼製擁壁でかさ上げした現場　長野県大鹿村

長野県下伊那郡大鹿村内で水路の側壁かさ上げ工事が行われました。

大雨時に側溝が越水し水害を受ける畑

雨水がオーバーフローし浸水被害を受けていた畑

かさ上げ工事が行われたのは県道152号線沿いの溝幅300mmの既設U字溝で延長約170メートルです。

水路が浅いため豪雨時に雨水がオーバーフロー（越水・氾濫）し、民家や畑が浸水し被害を受けておりました。そのため、住民からの苦情も多く、水路のかさ上げ工事が計画されました。

側道と水路の段差で重機が入らない

U字溝と側道の段差で重機が入らない

工事はコンクリートの杭と板でかさ上げする従来の工法を検討されておりましたが、現場は側道と水路にかなりの段差があり重機が入りにくいため、軽量で人力でも設置しやすいハイテン鋼製擁壁「イージーメタルウォール」にて施工が行われました。

手で持ち運べる軽量型擁壁の嵩上げ工法

EZメタルウォールは従来のSS鋼材より強度の高い「ハイテン鋼」を使用した鋼製擁壁です。水路や側溝の側壁の厚み、形状に合わせて自由に加工ができ、非常に軽量で人力で設置できることから重機の入らない場所でも楽に工事ができます。

イージーメタルウォールの設置

工事は水路脇を掘り、EZメタルウォールを側溝にかけていくだけです。

今回の現場で使用したEZメタルウォールは、かさ上げする高さが200ミリの製品で、長さ2メートル、重さ18kgで人力で持ち運べる軽さです。

水路の折れ点への対応

水路の縦断勾配など調整が必要な場所は現地調査にて事前に計測し、ぴったりと収まるように寸法を割り付けて製品を設計しました。

そのため水路の勾配や折れ曲がっている場所でも、側壁に差し込んでいくだけで現場での加工や調整は最小限で済み、工期の短縮になります。

製品同士の連結と止水の方法

製品同士をボルトで連結し、止水には漏水補修シート「マルチメンテシート」を使用して施工しました。

マルチメンテシートはアスファルトを活用したシートで耐久性・密着性が高く、バーナーで炙って貼り付けていくタイプの剥がれにくい強力粘着の漏水補修用シートです。コーキング材での止水処理も有効ですが幅15cmあるシート型の止水材を貼り付けることで広範囲を一度に止水できるというメリットがあります。

止水処理に使用したマルチメンテシート

＞＞マルチメンテシートの製品情報はこちら
 

水路かさ上げ工事完了で畑の冠水防止！

施工延長170メートルのかさ上げ工事と連結・止水処理を合わせて1日半で工事完了しました。

現状の水路に200ミリかさ上げできたことで今後の豪雨時の災害防止に期待できます。近隣住民や畑を営む方々にも安心していただけるようになりました。

工事終了後のご感想

施工した業者様からは、
「施工がとても楽で、製品同士の継目に使用したマルチメンテシートが思いのほか簡単に貼り付けることができた。こういった水路修繕の現場があれば、またぜひ使いたいです。」
と、お言葉をいただきました。