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2017.05.20 おすすめ情報
グレーチングとは
グレーチング
道路で見かける鉄が格子状になっているアミアミの蓋。正式名称は「グレーチング」といいます。(英語:grating)
ほとんどの人が名前すら知らない「グレーチング」について製造方法や材質、規格サイズ、選び方などあらゆる情報をまとめました。
グレーチングの製造工程
現在主流の圧接式グレーチングの製造方法をご覧ください。
グレーチングの製造工程
弊社圧接式鋼製グレーチングの一般的な製造工程です。
- 1.圧接|約6mの長い鋼材を並べて圧接します。
- 2.パネル|大きな格子状のパネルが完成しました。
- 3.切断|パネルをご注文の幅寸法に切り出します。
- 4.パーツ|その他の必要なパーツを準備します。
- 5.溶接|各パーツを溶接して組み立てます。
- 6.めっき|溶融亜鉛めっきでさび止め処理をします。
- 7.検品|規定に基づき検品します。
- 8.完成|全国へ発送します。
グレーチングの歴史
元々グレーチングは、船やプラントの足場で使用されていました。やがて、耐荷重や排水性が良いことから道路でも使われるようになりました。当初、道路用では溶かした鉄を型に流して製造する鋳鉄製(ちゅうてつせい)の蓋が使われておりました。
後に、ひとつひとつパンチングで穴を開け組み込んで作る「組工式」、半自動溶接機で主部材と補助部材を溶接する「溶接式」などの鋼製(こうせい)グレーチングが誕生、この頃からグレーチングを取り扱うメーカーが増え市場が分散化していきました。
そして、主部材と補助部材を電力で接合する「圧接式」のグレーチングへと移行しました。
グレーチングの製造方法
現在市場のほとんどが圧接式の鋼製グレーチングです。
また、最近では絞り技術を応用した接着方法もあります。
グレーチングの市場・流通
市場規模
グレーチングの市場規模は年間出荷高11.3万トン・340億円です。(2022年現在)
用途の割合としてベース設計資料(No.191)によれば、道路・歩道用90%、施設外溝用10%です。
役割・用途
排水性・通気性・採光性・耐荷重性に優れていることから幅広い分野で使用されております。
主な用途
横断溝用(車が横断する所)、側溝用、U字溝用、高速重荷重用、騒音防止用(ボルト固定)、床板用、階段用、橋道用、足場用、フェンス用、集水桝用、大型側溝・桝用(長スパン用IBグレーチング)、かさ上げ用(コンクリート蓋の代用)、ごみ除け用(スクリーン)、パレット用、レーザー加工の作業台、トレンチピット用、檻用(動物用ハウス)、樹木保護用(ツリーサークル)、焼却炉用、荷受台用、化学水処理プラント用、火力発電用、ボイラープラント用、クリーンルーム用、ゴミステーション用、鳥獣対策用、鶏舎用、馬牛豚小屋用、芝生保護材用、玄関マット用 等
流通過程
公共事業の場合、発注機関(国・県・市町村など)から工事が発注され、落札した会社(土木業者)が代理店(建材商社・コンクリート二次製品メーカー・管材屋など)からグレーチングを仕入れ、工事に使用されます。
公共工事に使用される資材は強度計算書や鋼材証明書などの材料証明(承認願い)を提出します。
※上記は一例です。工事内容などにより相違します。
グレーチングの材質
グレーチングの主な材質
グレーチングの材質には鋳鉄製(ダクタイル)、スチール製(鋼製SS400/SS540)、ステンレス製(SUS304/SUS316)、FRP製、プラスチック製、ラバー製(合成ゴム製)、アルミ製などがあります。
環境に配慮したハイテン鋼製グレーチング
また、現在では環境意識が高まり持続可能な社会の実現ニーズが高まる中、スチール製の中でも日本が誇るハイテン技術を使ったハイテン鋼製のグレーチングが経済性も兼ね備え広く普及してきています。
グリーン商材(SDGs調達・環境配慮型エコグレーチング)
ハイテン鋼製グレーチングは重量軽減に伴いさまざまな環境配慮、省資源化に貢献しています。
環境に配慮したエコグレーチングは持続可能な開発目標SDGsのゴール12「つくる責任つかう責任」やゴール13「気候変動に具体的な対策を」にむけた取り組みにつながっています。
グレーチングの種類
グレーチングの構造
圧接式グレーチングの構造
ツイスト圧接式グレーチングの構造をご説明します。
- 主部材メインバー
- 荷重を支える鋼材です。アイバー(IB)やフラットバー(FB)などがあり、垂直、等間隔、かつ平行に並べてあります。
主部材の高さと厚みは、グレーチングをかける溝の幅や桝の大きさと想定する耐荷重により強度計算を行い決定します。主部材の種類については「主部材構成一覧表」をご覧ください。
- 補助部材ツイストバー
- 主部材に対して直角方向に接合されるねじり六角鋼材です。主部材を垂直かつ平行に保持する役割があります。
- 補助部材エンドバー
- 主部材に対して直角方向の端(エンド)にあてて溶接し縁取りをつけるための鋼材です。フラットバーやL型アングル、台形の鋼材などが使われます。
- 主部材ピッチ
- 主部材が連続して並ぶ間隔です。あら目(普通目・並目)と細目がありグレーチングを設置する現場状況に合わせて選択できます。使用する主部材によってそれぞれの間隔寸法が決まっています。
- ツイストバーピッチ
- ツイストバーが連続して並ぶ間隔です。100mmピッチと50mmピッチ(ST50)がありますが現在はベビーカーや車いすの車輪がはまりにくいという視点からバリアフリー化され、あら目グレーチングでは50mmピッチが現在の主流となっています。
細目より隙間が小さいグレーチング
さらに、細目グレーチングよりも隙間を小さくできる「レボ細目グレーチング(極細タイプ)」もあります。細いピンヒールのかかとやたばこも落とさない隙間が極細のグレーチングです。ショッピングセンターや歩道など歩行者の多い場所に最適です。
グレーチングの表面処理
鉄の製品は、素地のままでは大気中の水分ですぐに錆が発生してしまいます。そのため、鋼製グレーチングはめっきなどの表面処理を行います。
溶融亜鉛めっき
溶融亜鉛めっきとは、鋼と亜鉛の合金被膜によって錆から守る表面処理方法です。溶かした亜鉛槽に浸漬する様子から通称「どぶづけメッキ」とも呼ばれています。
低光沢処理
低光沢処理(防眩処理)とは、溶融亜鉛めっきを施した後に光沢を落とすための処理方法です。リン酸処理(タナカP4・OMZP・パプロハーモニー)やケンボージングメッキがございます。
ナイロンコーティング
耐候性・絶縁性・耐薬品性に優れ艶があり美しい仕上がりの表面処理です。アイボリー・グレー・ブルーメタリックがあります。
アルミ合金めっき
アルミ合金めっき(SGめっき)とはアルミニウムやマグネシウムを加えた合金によるめっきです。海に近い沿岸地域や融雪剤を使用する道路におすすめです。
グレーチングの滑り止め模様
主部材メインバーのグリップ形状
現在販売されている多くのグレーチングで、転倒事故防止のため凹凸のあるグリップ形状の鋼材が使用されています。
滑り止めの性能を示す指標として「滑り抵抗値BPN」などが使用されます。
グレーチングの規格サイズ
グレーチングの選び方
使用する溝の形状や、蓋のタイプ(機能)、荷重条件、通る車の方向などによってグレーチングが設計されていきます。
グレーチングの形状と種類
グレーチングには様々な種類があります。それぞれ規格サイズが設計されておりますが、規格外の寸法でも製作することが可能です。
※形状によって受枠の打設工事が必要になりますので、個人のお客様で工事が必要な場合はお近くの工事業者様とご相談ください。
みぞぶたタイプ
ボルト固定タイプ
開閉式タイプ
かさあげタイプ
ツバ付きタイプ
溝の計測箇所とポイント
グレーチングを設置する溝または桝の形状によって計測する場所が異なります。以下を参考に計測して下さい。
※側溝が破損している場合や、受枠が必要な現場などはグレーチングを設置する前に側溝を改修する工事が必要となります。
U字溝用の測り方
ツバ付きタイプの場合
- W:
- 溝幅
- S:
- 隅の面取りの有無と寸法
- L:
- 蓋を設置する場所の延長
段差のある側溝の測り方
- W:
- 溝幅
- W1:
- 蓋受部の幅1
- W2:
- 蓋受部の幅2
- H:
- 蓋受部の高さ(全高)
- L:
- 蓋を設置する場所の延長
桝の測り方
- W:
- 桝穴の幅(車両進行方向)
- L:
- 桝穴の長さ
- W1:
- 蓋受部の幅
- L1:
- 蓋受部の長さ
- H:
- 蓋受け部の高さ(全高)
グレーチングの長さと必要枚数について
グレーチングの1枚の定尺長さは1m(約995mm)です。かさあげタイプのグレーチングはハーフサイズ(約500mm)があります。
詳細寸法は製品により異なりますので「グレーチング製品規格一覧表」より各製品ページへお進み頂き製品寸法をご確認ください。端尺は特注品加工いたします。
グレーチング設置時のクリアランス(隙間)
グレーチングを連続して設置する場合はクリアランス製品同士の隙間を4~5mm考慮して枚数を数えてください。ただし、施工延長が長い場合(枚数が10枚以上など)はクリアランスを2~3mmにて考慮するか、定尺寸法を設置後、残りの端尺分を計測していただくことで余分な隙間なくぴったり収めることができます。
また、お見積りの段階で施工延長をご連絡いただければ必要枚数を算出させていただきます。
設置例
例えば、U字溝施工延長5.75m(5750mm)の場合、定尺長さ995mmを5枚と、端尺長さ750mmを1枚設置します。
隙間が空かないように連結したいときは?
グレーチング同士を連結させるクリップもございます。
グレーチングの強度・耐荷重
荷重区分について
鋼製グレーチングの基本的な設計荷重はT-25・T-20・T-14・T-6・T-2・歩道用です。
グレーチングが土木資材として使用されるようになった頃は「車道用」と「歩道用」の2種類のみでしたが、昭和31年(1956年)に「T-20」と「T-14」が設定され細分化されていきました。
さらに、平成5年に道路法車両制限令改正で車両総重量の最高限度がT-20からT-25に引き上げられた背景から「T-25」が設定されました。
プレキャスト製品と異なり荷重区分が何種類もある理由は、道路状況や通行する車両に合わせ荷重条件を細分化することでグレーチングの軽量化やコスト削減を図るためです。
参考文献:道路橋示方書・同解説(平成8年12月版)
グレーチングの強度・耐荷重について詳しくはこちらの技術ページをご覧ください。
グレーチングと車両進行方向
車の通る方向|横断用・縦断用
グレーチングの耐荷重を決める際は車両の進行方向によって決められます。設置したいグレーチングを車が「横断」するか「縦断」するかを以下のイラストをご参考にご確認下さい。
グレーチングのメンテナンス
管理・メンテナンスについて
グレーチングは設計条件の範囲内で正しくお使いいただければ長年にわたってご使用いただくことができます。また、製品自体の設置後のメンテンスは基本的に不要ですが、破損・変形していないか、ボルト固定式の場合のボルトのゆるみなどのチェックを行ってください。
※騒音を軽減するための防音ゴム付きタイプのグレーチングは、ゴムの劣化に応じて貼り替えが必要となる場合があります。
腐食が厳しい環境の一例
海が近い場所(沿岸地域)、融雪剤を使用する場所(豪雪地域)、温泉地、工場地帯、火山地帯、水族館、スキー場
グレーチングの課題・問題点
- ▸古いグレーチングを修理したい
→小規模な工事でリニューアルできる工法 - ▸ガタつき騒音がする
→騒音を解決した様々な事例 - ▸グレーチングが重たい
→従来品より軽いグレーチング - ▸車両通行時の跳ね上がり
→跳ね上がり問題を解決した様々な事例 - ▸グレーチングの床が滑る
→強力なノンスリップ効果で滑り止め - ▸グレーチングのコストを抑えたい
→従来品より経済的な鋼製グレーチング - ▸グレーチングの錆び
→沿岸地域や温泉地の腐食環境に強いグレーチング - ▸カラー舗装道路に合わせたい
→カラーバリエーション豊富なグレーチング - ▸側溝へのゴミ流れ込み、詰まりを解消したい
→たばこの吸い殻や落ち葉の流れ込みを防ぐゴミかご - ▸大雨のときグレーチングを越流する
→排水性能の高い側溝用グレーチング - ▸グレーチングが破損しやすいイレギュラーな現場
→全方向からの衝撃に強いグレーチング
- ▸古いグレーチングを修理したい
グレーチングの設計に関する関連文献・図書
グレーチングの図面ダウンロード
2D設計図面データ
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