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2020.09.30 おすすめ情報
グレーチングの跳ね上がり対策|原因とおすすめの固定方法
道路の側溝とグレーチング
道路の排水施設には側溝、桝などがあり、コンクリート製の蓋や鋼製の蓋(グレーチング)が敷設されています。格子形状のグレーチングは開口部からの排水能力が高く、道路では主に降雨時の排水を素早くさせるために設置されます。
グレーチングにはボルト固定式、開閉式、バリアフリータイプ(細目仕様)、ノンスリップタイプ(滑り止め・グリップ仕様)などさまざまな種類があり、道路環境や用途、車両進行方向、荷重条件などを考慮して最適な設計がされます。
グレーチング跳ね上がり事故と原因
車道に設置されたグレーチングが、自動車の走行時に跳ね上がり人や車に損害を与えてしまう事故を引き起こすことがあります。過去には死亡事故も発生しています。
なぜ、最適な設計がされたはずのグレーチングが跳ね上がるのでしょうか?
事故を引き起こす要因には、車両からのイレギュラーな負荷・衝撃、石やゴミによる浮き上がり、変形、破壊、施工不良などが考えられます。加えて、蓋を受けるコンクリート側も、繰り返し作用される交通荷重で破損し不陸が生じると、グレーチングが浮き上がりやすい状況となります。
そのような状態で車両が通行し荷重がかかるとテコの原理のように跳ね上げ、さらには完全に溝から外れて飛んでしまうこともあり大変危険です。高架にある場合は高架下への落下も考えられ、さらに大きな被害が発生します。
道路建設時は適正に設計され、特に問題なかった場所が、のちの周辺環境の変化により強度や機能が不足するケースは多々あります。
跳ね上がりによる事故の責任と管理者【道路管理瑕疵】
万一事故が発生し管理者が管理瑕疵を問われた場合は、現場の状況や過去の判例などから責任の有無や割合を判断されます。
管理者に責任があると判断されると国家賠償法に基づき賠償することになります。
- -国家賠償法 第二条-
- 道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。
これまでグレーチングの跳ね上がりによる事故は多数発生しており、賠償責任が発生した事例もあります。
- コミュニティセンタ-敷地内を通ったところ、グレーチングの蓋が跳ね上がり、ガソリンタンクのパイプを破損
- グレーチングが跳ね上がり、バス停に停車しようとしたバスの車両底部等を傷付けた
- 道路中央に設置されていたグレーチングの蓋が跳ね上がり自動車に損傷を与える
- 林道のグレーチングが走行中、跳ね上がり、車の腹部にあたり破損
- 道路の側溝にグレーチングを隙間なくふさいでいなかった部分があり、通行した際にグレーチングが跳ね上げ乗用車が破損
※国土交通省道路交通管理課、全国町村会総合賠償保障保険制度発表の資料より抜粋
※瑕疵:本来あるべき機能・状態が備わっていないこと。道路の造成不良や設備の欠陥など。
跳ね上げ事故(蓋不全事故)の損害賠償事案件数
平成18年度道路管理瑕疵実態調査によりますとグレーチングの跳ね上げが分類される「蓋不全」による損害事故の賠償事案件数は、地方公共団体が管轄する道路では「穴ぼこ」に次いで2番目に多く、年間で約700件以上(2002~2006年の平均)発生しています。
※平成18年度道路管理瑕疵実態調査の集計より
下記グラフに示した近年の交通事故と訴訟件数の状況も踏まえると、蓋不全による事故の責任を管理者側に問うケースが今後も増えると予測でき、事故を未然に防ぐための対策は急務となります。
交通事故と損害賠償請求
データ元:警視庁「交通事故発生状況の推移」、日本弁護士連合会「交通事故損害賠償請求事件の新受件数の推移」
交通事故全体の件数は減少しているのに対し損害賠償請求の件数が右肩上がりになっているのは、自動車の安全性能が高まる一方で保険各社の弁護士特約が普及し訴訟を起こすハードルが下がったことなどが背景にあるとされています。
側溝・蓋の補修で危険を回避する
そして、高度経済成長期に急速に造られた日本の道路は、老朽化により修繕時期を迎えています。排水施設や側溝蓋もまた、老朽化によりいつ事故が起きてもおかしくない危険な事態に直面しています。
24時間不特定多数の人が利用し、危険だからと使用を中止することが難しい道路は、安心安全のために定期的な点検と速やかな修繕が望まれます。
グレーチング跳ね上がり対策の方法・手段
グレーチングの跳ね上がりに効果的な対策方法として以下の方法があります。
コンクリート蓋に換える
跳ね上がり対策のためにグレーチングをコンクリート蓋に交換する例があります。重量のあるコンクリート製の蓋にすることで浮き上がりを抑えることができますが、グレーチングに比べて排水性が低下します。豪雨対策が課題となる昨今の状況も踏まえると排水機能の維持が望まれます。
飛散防止金具や連結金具で固定
後付けの金具は施工性、経済性に優れており、危険な箇所への迅速な対応が可能です。ただし、この対策はコンクリートの欠損やグレーチングの変形等がなく正常に取り付けできる場合に限られます。また、簡易的な金具の場合は長期的な使用に不安が残ります。
ボルト固定式グレーチングに換える
側溝や桝の一部を切断し新しい受枠を据え付け、ボルト固定式のグレーチングを施工することで高い効果を期待できます。一般的なボルト固定化の改修工事はハツリ作業や型枠の設置、養生期間などで1週間程度の工期がかかり、その間は交通規制も発生するため道路の利用者には不便が生じます。
跳ね上がり対策にオススメの固定化工法
そこで、安全性と施工性が高い跳ね上がり対策として、鋼製蓋縮小化工法「リフタス」がおすすめです。
リフタスは既設のグレーチングよりひとまわり小さい枠を入れ子式で設置し、隙間に無収縮モルタルを充填し固定する工法です。この方法でボルト固定用の新しい受枠を作ることができるためコンクリートの切断やアスファルトの開削なしでグレーチングの固定機能を構築できます。
リフタスは特殊工具も不要で施工性が高く、1箇所の作業時間は2時間程度で修繕可能。超速硬タイプの無収縮モルタルを使用することでわずか数時間で現場を解放できます。
跳ね上がり対策・ボルト固定化の施工事例
可変側溝(自由勾配側溝)の跳ね上がり対策には
可変側溝(自由勾配側溝)の跳ね上がり対策には、暗渠部に潜り込ませた金具で固定するハードロックシステムグレーチングもおすすめです。
跳ね上がりを対策したい現場の写真を送ってください!
お困りの現場がございましたら、ぜひご相談下さい。その際、現場の交通状況や現場写真を送っていただけますと最適なご提案がしやすくなります。
「現地を見てもらいたい」、「リフタスが使えるか確認してほしい」、「リフタス以外の方法も聞きたい」など、お気軽にお声掛けください。
リフタス以外にも、わずか数時間で側溝を暗渠化する製品や、飛散防止金具など跳ね上がりの解決に役立つ製品を取り揃えております。